靴修理のオールソールとは

高品質な靴を購入したら長く履き続けたいものですが、靴というのは履けば履くほど靴底がすり減ってしまうのは避けられません。ラバーなどで補強をしていても限界はあり歩きにくくなってしまうことも少なくありません。そんなすり減ってしまった靴を蘇らせる靴修理がオールソール交換なのです。オールソール交換とはどういった靴修理でどのような効果が得られるのか紹介します。

オールソール交換するべき状況

ヒール修理について
出典元 – 靴専科サービス:靴修理相談

大事に履いていた靴でも、長く履いていれば靴底はどんどん削れていき減っていってしまいます。すり減った靴底を補修するアイテムや靴底そのものを補強するアイテムなどもありますが、見た目があまり良くない、また万能ではなく、いつかは消耗してしまいます。同じ靴底のまま履き続けてしまうと様々な弊害が生じるのです。具体的には靴底が減るということは靴のバランスが悪くなっているということになりますので、バランスを正そうと体に負担がかかり腰痛などを引き起こしやすくなってしまいますし、歩きにくくなってしまいます。
靴底が減ってしまった場合、もうその靴は履くことが出来ないのかというとそうではありません。上質な革靴の多くは靴底を交換することで、アッパー部分はそのまま使うことが出来ます。このような靴底全体の交換をオールソール交換と呼び、靴修理においては非常にポピュラーなものです。オールソール交換を検討すべき状況となるのが、靴底が減り穴が開いてしまったり、靴底が割れてしまったなどという時です。また、靴底の素材そのものが劣化してしまった時などもオールソール交換を検討すべきタイミングとなるでしょう。

 

オールソール交換の方法

オールソール交換とはどういった靴修理なのかというと、靴底全体を交換するという修理です。今靴についているヒールや本底をすべて剥がし、ウェルト交換なども必要であればウェルト交換も行っていくものです。
具体的なオールソール交換の方法の方法ですが、靴の種類によっても多少の違いはあるものの、まずは「剥がし」という作業が行われます。この剥がしという作業は、 古いヒールや本底を文字通り剥がしていくという作業で底縫いをしている靴に関しては古いシャンクや糸、釘なども全て除去していきます。次に、靴の内部でクッション材の役割をしているコルクや必要に応じてウェルトを交換です。コルクに関しては長年履いていると内部でボロボロになっているケースが多いです。釘に関してははちまき部分は交換しないので新しいものにすぐに打ち替えていきます。完全に剥がし作業が終了した後はウェルト、シャンク、コルクを貼る作業に移っていきます。基本的に元々の縫い穴を使用して手縫いで行われるのでアッパーへの負担は少ないです。
最後に本底を貼り付ける作業に入るのですが、新しい本底を付ける前に本底の内側部分を削って荒らしていきます。荒らすことによって糊の付きが良くなるので接着力を増すことが出来るのです。貼り付け時に使用する糊は特殊な糊になっていて、本底の貼付け面全体に塗った後に少し乾かしてから貼り付けることでより強力に接着させることが出来ます。熱も接着力を増すので温風機やヒーターなどを使用し接着していくのです。貼り付けた本底は靴のサイズよりもかなり大きいので、接着後に削って靴のサイズに合わせていきます。左右の差が無いように調整をした後に最終的な縫い付けも行い剥がれないようにしていくのです。最後にヒールの積み上げやトップリフトを貼り付けコバの着色や調整を行いオールソール交換の完了となります

オールソール交換で得られる効果

オールソール交換を行うことによって得られる効果にはどのようなものがあるのでしょうか。
まず想像しやすいのが見た目が良くなるということでしょう。靴底がすり減ってしまい、底面の素材の色などが出てきてしまっている靴を街中で見たことがあるという方も多いのではないでしょうか。オールソール交換は靴底部分を新品の状態に交換するということでもありますので、きちんと着色も行われ自分だけではなく周りの人が見ても新品同様のきれいな状態にすることが出来ます
次に、履き心地や歩き心地の改善効果も期待できます。革靴は内部にコルクが貼られていてそのコルクが履いた時や歩いた時の地面からの衝撃を吸収してくれるという役割をしているのです。しかし、それだけコルク部分は負担がかかっているということでもありますので、靴の内部でどんどん劣化しボロボロになりクッション機能を果たせなくなっていきます。そのコルクがオールソール交換では新しくなるのでクッション機能が復活し履き心地や歩き心地を蘇らせ歩いても疲れにくくしてくれるのです。

 

オールソール交換は新品を購入するよりも良い!?

オールソール交換は靴修理の中でもそれなりに費用がかかるものなので、修理をするよりも新品の靴を買った方が良いのではないかと考える人もいるでしょう。しかし、オールソール交換は新品の靴を購入するよりも良い部分が多くあるのです。
オールソール交換の良い面としては、自分の好みにカスタマイズできるということです。フルオーダーなどは別として、一般的には既成品などを購入することが多い靴においては、ヒールの高さなどが履いていくことで気に入らない、歩きにくいなどということがある場合があります。オールソール交換であればヒールの高さなども自分の理想通りに注文することで、高差を調節することが出来ます。そのため、プチオーダーメイド感覚で靴を修理することが出来るのです。また、革靴というのは新品のものは未完成で履き続けることによって完成するということがよく言われます。オールソール交換であれば、インソールなど足に馴染んで履きやすくなった部分はそのままに劣化した部分だけを交換するので履き慣らす必要もありません。他にも靴の雰囲気を変えたい時にソールの種類や色などを変えることで自分だけの靴を作り上げることが可能なのです。

 

オールソール交換で長く履ける

靴底はどんなに大切に履いていたとしても消耗品なのでいつかは劣化します。靴底の交換であるオールソール交換を行うことで、それまで履いていた靴の良い部分はそのままに劣化した部分を交換することで履き心地や歩き心地を向上させることが出来るのです。お気に入りのデザインや思い入れのある靴を長く履くにはオールソール交換が必要不可欠です。